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注意!この文章には男色表現は含まれておりませんが、そうなる予定です。しかもBASARA2の現代パロとなっております。チカナリダテが学生です。                                                 苦手な方は閲覧をお控え下さい。                                        平気な方は下の続きを読むをぽちっと押してください。

ちょっと長いですよ?


「元親ー!・・・Shit、何処行きやがった!」
廊下に大きな声が響く。その声の主は少し茶に染まった髪が乱れることも気にせずに一人の人物の名を呼んでいた。
規則など守る気も無いとでもいうように前が全開になっているシャツに、竜の模様の入った紺のTシャツが風でふんわり揺れる。よく見ると左目に眼帯をしていてそれがまた反抗的に見える。
廊下の角を曲がると唯一まだ探してないフロア、つまり職員室などがある、少年とは相容れぬ場所。それでも探し人を求めて一歩廊下に踏み出す。流石にここで叫ぶわけにもいかないので黙ったままずらっと並ぶ教室を一つ一つ覗いていく。
「Oh・・・この部屋は何だ?」
少年は職員室と生徒相談室の横にある小さな部屋に気付いた。少年の勘が告げていた、奴はここに居ると・・・。
 
元就は囲碁将棋部室の中で一人碁を打っていた。ぱちんぱちんと小気味良い音を響かせながら碁盤の空きが埋まっていく。時折眉間に刻まれる皺が彼の端正な顔を歪めた。元就は彼の顔にあつらえたかのようなきちんとした制服の着こなし方をしていた。だがよく見るとそのシャツの襟に緑のブローチが付いている。普段の品行方正な態度から見逃してもらっているのだろう。
部室は雑然としていて、元々狭い部屋がもっと狭く見える。いつも片付けなければと思うのだが、大半が部の物ではなく教師たちが置いていった教材や大量にある藁半紙なのでどうにも片付けようが無い。その隙間に無理矢理机を入れ、碁盤と将棋盤を置いてある場所が実質の活動場所だった。
 
退屈だ、時折元就はそう思う。何もかもに恵まれているわけではないが、他者を超える頭脳と悪くない家柄を持つ元就が日常に不備を訴えるのは仕方が無いことだとも言える。小さい頃から両親が居ないことで、からかわれることも無くはなかったのだがそれも元就の反応がないからかいつしかやんだ。
贅沢とはこんなことを言うのであろうか。元就は苦笑する。毎日気が抜けなかった頃はこんな世迷言を並べたことはなかったのに。
 
元就が思考の世界に入っているとがらがらと部室の扉を開く男が居た。背の高い妙なにこやかさを持つ男で、左目に眼帯、髪色は白という不良のような外見だが屈託の無い感じを受ける男だった。ネクタイの色から一年だと分かり、無礼を責めようと口を開いたがそれを目で制される。
「悪ぃ。ちょっくら隠れさしてくんね?追われてんだ」
元就の追及は虚空に消えた。
その長躯の男は、言うが早いかごそごそと辺りを散策する。すると、いい場所を見つけたのかいそいそと入り込んでいる。
「おい、何をしている」
元就が声をかけると、ダンボールとダンボールの隙間から器用に頭だけをひょいっと出してこっちを向き、じっと元就を観察している。そして口を開いたかと思うとこう言った。
「隠れてんだけど、言わなかったか?オクラさん」
緑のブローチが目に留まったらしい。元就はこの男の不躾な態度に頭に来ていた。その上さっきの言葉だ、怒りが倍増する。元就の欠点である自分の意見がないがしろにされると我慢できないという性格が爆発したのだ。顔が歪む。美にうるさい人などが見たら犯罪だと思っても仕方ないと思えるほどの変貌ぶりだ。
「そこの男、今すぐここを立ち去れ」
男の近くにずずいと寄る。しゃがみ込んでいる男をぎんと睨むと、男は怯むどころか睨み返してきた。ほ、と元就は感心する。元就の怒り方は敵を威圧するもので、逆上させるようなものではないのだ。そして怒ったときの元就に睨まれたものは一も二も無く背筋を冷たい線が走り、体に震えが出る。それが普通の反応だが、この男は睨み返してきた。
 
・・・面白い男だ。ふと、昔の記憶がよみがえる。確か幼い頃にもこんなことがあった。そのときは少女だったがこれとよく似た感情を持った覚えがある。その少女は去ってしまった、まだ出会って一年も経ってなかったのに遠くに引っ越していったのだ。少女は去り際にぎゅっと握った手からきれいな緑のブローチを出すと元就に渡した。・・・どう見てもオクラにしか見えないかたちのブローチを。
 
・・・また遠くへ行ってしまっていた。男がぼうとしていた元就を心配そうに見ていた。その仕草から己の失態を再確認した元就はかっと頬が熱くなるのを感じた。慌てていつもの鉄面皮に戻る。そして尚もそこに経っている男に一瞥をくれた。
「好きにするがいい。ただし我は何も知らぬぞ」
それだけ言うと元の席に着き、平常心を取り戻そうと始めから碁を打ちなおす。
ぱちんぱちん、ぱちんっ、元就の手が止まった。扉を開けて何者かが入ってきたのだ。
 
姿形なら今さっきの男に似ていないともいえない男だった。どうみても真面目とか地味とかいう感想は持てない格好をしている。だが雰囲気の点で行くとどちらかといえば元就に近い感じを受けた。酷く冷たい雰囲気を、細い針のような、をまとっているのだ。男は元就の視線に気付くと驚いた顔をした。入ってきたときよりも少し和らいだ顔をした。
「Excuse me.ここに左目に眼帯をした男がこなかっじゃなくて、きませんでしたか?」
言葉の途中で元就のネクタイの色が上級生のものであると気付くと、さらりと敬語を使い直す。先程の男よりずっと分別を弁えているようだ。
男のことをばらしてしまおうか、ふと元就は考えた。それもいいかもしれない。非礼を詫びぬ者は嫌いだ。だが元就が口にした言葉はその考えとは正反対に位置していた。
「そんな者は来ておらぬ、他をあたれ」
侵入者はその言葉に心からは納得していないようだったが、頷き礼を言って去った。やはり先の男より格段に良い男だ。
 
「ありがとな」
後ろから声が聞こえたので振り向くと、いつの間にか隙間からあの男が出てきていた。男は元就を見てふわっと微笑む。
「ふん、礼など要らぬ」
そう、礼など要らぬのだ、我が我の口が勝手にしたことなのだから。男は元就の隣に立ち碁盤を見ている。
「・・・お前、碁初心者なのか?」
何を聞くかと思えばそんなこと。確かに元就は碁よりも将棋のほうが得意だ。だからこそ苦手な碁を上達しようと練習していたのだ。だがしかし、傍目で分かるほど下手な腕前ではないはずだ。
「俺も碁、始めたばっかなんだ。こんどやろうぜ」
そう誘う男を複雑な目で見ていた。油断できないと思うのは疑いすぎなのだろうか、この男は本質が掴めない。
「あ!そういえば自己紹介してねぇや。俺、長曾我部元親。一年二組。今さっき入ってきた男は同じ中学校だった伊達政宗。ちょっと揉めちまってな・・・」
男はいまさらながら自己紹介をする。・・・何なのだこいつは。だが名乗られて名乗り返さないようでは、品位が下がる。そんなことはしたくなかった。
「毛利元就。二年三組だ」
元就がそういうと元親はあからさまに驚いた顔をする。
「え、俺オクラさんは同い年だと思ってた」
案の定勘違いされていた。もはや腹も立たない。勝手に驚いていろと放っておくと、元親が目の前に居た。
「悪ぃ、じゃなくてすいませんでした、先輩だなんて気付かなくて」
すいませんじゃなくてすみませんだろうと心の中で思ったが、正直この男にこんなことができるとは思ってなかったので見直した。
「気にするな。許す」
元就は自分なりに努力して精一杯笑顔を作った。たぶん相当ぎこちないものだっただろう。だが気持ちは元親に伝わったようだ。心なしか元親の顔が上気して見えるが元からそんな顔だったと思いなおした。
キーンコーンカーンコーン。六時のチャイムがなった。部活生でないものは帰らないとならないのだ。無論一年の元親はまだ部活に入れないので規則に従がって下校だ。
「じゃあな!」
もう敬語を忘れている元親に元就はなぜか不快感を感じなかった。面白い男だ、と今日二度目の感想を抱いた。元就の退屈は何処かへ消えた。
長くてすみません。ここまで読んでいただいて有難う御座います。
1とあるように続きます。予定通りいくと7で終わるんですが・・・不安。
今日リンクを貼っているあるサイト様に行くと日記にお返事が書いてありました。
なんかすっごく褒めてくださっていて嬉しい反面申し訳ない感じがする!
この場で言っていいのか分かりませんがほんとに勿体無いお言葉有難う御座いました。
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